連載|伊波真人のシティポップ短歌

今月のお題「深町純 / ON THE MOVE」

2025.5.15

今月のお題

深町純 / ON THE MOVE1978年


シンガー・ソングライターとしてデビューし、セッション・ミュージシャン、作編曲家、シンセサイザー奏者と八面六臂の活躍をした深町純が、単身ニューヨークに渡り現地の一流ミュージシャンと作り上げたジャパニーズ・フュージョンの傑作。ジェット・エンジン音とともに疾走感に満ちたサウンドが繰り広げられる冒頭のタイトル曲から、後にかまやつひろしがカヴァーしたメロウなヴォーカルナンバー「レター・トゥ・ニューヨーク」まで、きらびやかなサウンドが満載。スティーヴ・ガッド、ウィル・リー、リチャード・ティー、デイヴィッド・サンボーン、ブレッカー・ブラザーズなど豪華参加陣と対等に渡り合う深町純のキーボードワークが見事だ。

ダイナーでアメリカーノを飲みながら ロングフライトの眠気を覚ます<br />
ダイナーでアメリカーノを飲みながら ロングフライトの眠気を覚ます<br />



伊波真人(いなみ・まさと)

歌人。1984年、群馬県高崎市生まれ。早稲田大学在学中に短歌の創作をはじめる。2013年、「冬の星図」により角川短歌賞受賞。雑誌、新聞を中心に短歌、エッセイ、コラムなどを寄稿。ポップスの作詞家としても活動中。ラジオ、トークイベントへの出演なども行う。音楽への親しみが深く、特にシティポップ、AORの愛好家として知られる。著書に、歌集『ナイトフライト』などがある。