2025年4月号|特集 シュガー・ベイブ

⑱愛は幻(Live)|『SONGS 50th Anniversary Edition』全曲解説

会員限定

解説

2025.4.24

文/油納将志


「愛は幻(Live)」
words & music by 大貫妙子


シュガー・ベイブの最終章であり、大貫妙子の作家性が開花する序章となった1曲


 シュガー・ベイブ解散後、大貫妙子が1976年9月にリリースした1stソロ・アルバム『Grey Skies』に収録された「愛は幻」。このライヴ音源が、バンド後期のステージでもすでにレパートリーとして定着していたことを証明するかのように『ソングス 50th アニヴァーサリー・エディション』のボーナス・トラックに収められた意義は大きい。当時のシュガー・ベイブはバンド解散へと向かう過渡期にあったが、それはメンバーそれぞれが新たな音楽的可能性を模索する創造的な時期でもあり、「愛は幻」はその象徴といえる楽曲として位置づけられる。