連載|伊波真人のシティポップ短歌

今月のお題「シュガー・ベイブ / SONGS」

2025.4.16

今月のお題

シュガー・ベイブ / SONGS1975年


シティポップの起点といわれる傑作であると同時に、日本のロック史に燦然と輝く名盤のひとつ。山下達郎と大貫妙子という2人のヴォーカリストを輩出したシュガー・ベイブは、1973年に結成。唯一のアルバム『SONGS』を残し、1976年に解散した。本作を発表した1975年は、若者の音楽はフォークが全盛。ロックはハードロックやブルースロックが主流だったことを考えると、いかに先鋭的だったのかがよくわかる。EPOもカヴァーした「DOWN TOWN」の他「SHOW」「いつも通り」「雨は手のひらにいっぱい」など名曲揃い。NIAGARAレーベル第一弾、大瀧詠一がプロデュースということも重要な一作だ。

土曜日の街では風の色さえも いつもの風と違う気がして<br />
土曜日の街では風の色さえも いつもの風と違う気がして



伊波真人(いなみ・まさと)

歌人。1984年、群馬県高崎市生まれ。早稲田大学在学中に短歌の創作をはじめる。2013年、「冬の星図」により角川短歌賞受賞。雑誌、新聞を中心に短歌、エッセイ、コラムなどを寄稿。ポップスの作詞家としても活動中。ラジオ、トークイベントへの出演なども行う。音楽への親しみが深く、特にシティポップ、AORの愛好家として知られる。著書に、歌集『ナイトフライト』などがある。