2025年4月号|特集 シュガー・ベイブ

⑤ためいきばかり|『SONGS 50th Anniversary Edition』全曲解説

会員限定

解説

2025.4.7

文/油納将志


「ためいきばかり」 
words & music by 村松邦男


軽快なアレンジと内省的テーマが織りなす二面性


 アルバムにおいて異彩を放つ楽曲でありながら、その存在感はシュガー・ベイブというバンドの核を象徴している。村松邦男による作詞・作曲で、都会生活者特有の憂鬱と孤独感を描き出しつつも、その内省的なテーマを軽快なアレンジで包み込む独特な二面性を持つ。冒頭から響くギターカッティングはカラッと乾いた質感でありながらもどこか温かみがあり、リズムセクションとの緻密な絡み合いによって生まれるグルーヴは聴き手に軽やかな高揚感を与える。