2025年3月号|特集 奥田民生 29-30

⑲ソウル・フラワー・モノノケ・サミット『アジール・チンドン』|『29』『30』時期の邦楽ロック in 1995

会員限定

レビュー

2025.3.28


ソウル・フラワー・モノノケ・サミット
『アジール・チンドン』

1995年12月8日発売

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01. 復興節
02. 美しき天然
03. ラッパ節
04. 聞け万国の労働者
05. デモクラシー節〜デカンショ節
06. 貝殻節〜アランペニ
07. がんばろう
08. 東京節
09. 竹田の子守唄



阪神・淡路大震災を機に誕生したソウル・フラワー・モノノケ・サミットのファースト


 ニューエスト・モデル~ソウル・フラワー・ユニオンへと活動を展開してきた中川敬は“社会派ミュージシャン”と呼ばれることが少なくないが、彼の意志を目の当たりにするにつけ、「それは違う」と感じる。中川は人として当たり前のことをしているまで。立場の弱い人を励まし、困っている人がいたら手を差し伸べる。社会は大衆音楽と合わせ鏡であり、政治や行政と音楽は切っても切れない関係であることを自らの行動によって証明してきた。その礎たる重要作の一つが、’95年1月17日の阪神・淡路大震災を機に誕生したソウル・フラワー・モノノケ・サミットのこのファーストである。

文/岡村詩野