2025年3月号|特集 奥田民生 29-30

⑱JUDY AND MARY『MIRACLE DIVING』|『29』『30』時期の邦楽ロック in 1995

会員限定

レビュー

2025.3.27


JUDY AND MARY
『MIRACLE DIVING』

1995年12月4日発売

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01. Miracle Night Diving
02. Over Drive
03. KYOTO
04. Little Miss Highway
05. あなたは生きている
06. ドキドキ
07. ステレオ全開
08. Oh! Can Not Angel
09. プラチナ
10. アネモネの恋
11. 帰れない2人



ギター・ロック・サウンドへの忠誠心とも言える誇りがここにはある


 90年代版グラム・ロック。少なくともアルバム・チャート2位を記録したこのサードくらいまではそう言ってもいいと思う。特に、ギタリストとしてのTAKUYAは、例えば70年代のデヴィッド・ボウイのバックやモット・ザ・フープルなどで活躍したミック・ロンソンからの影響を感じさせるプレイヤーで、メランコリックなフレーズを絡めながらシャープなカッティングを聴かせるスタイルを武器としていた。YUKIの歌唱力抜群、表情豊かでパンチの効いたヴォーカルがインパクトを放っているのと、TAKUYA、ドラムの五十嵐公太、ベースの恩田快人それぞれが作った曲のメロディそのものもどれも驚くほどキャッチーなため、JUDY AND MARYはポップ・アイコン度がとても高いバンドだ。まして本作は「Over Drive」「ドキドキ」という初のトップ10ヒット曲が収録されている。

文/岡村詩野