2025年3月号|特集 奥田民生 29-30
⑩GREAT3『Richmondo High』|『29』『30』時期の邦楽ロック in 1995
レビュー
2025.3.14
GREAT3
『Richmondo High』
1995年9月6日発売
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01. Richmondo High
02. Fool & the Gang
03. I Believe In You
04. Oh Baby (Original Version)
05. エデン特急
06. Madness Blue
07. 想い出のサマーブリーズ
08. 腰ぬけマシーン
09. ジェット・コースター日和
10. Summer’s Gone
11. Mr.Spicoli (with The Guitar Hero)
12. Under the Dog
13. My Bunny Eyes
ルーツ音楽への深い造詣を現代的ポップ・ミュージックとして再構築したデビュー作
GREAT3はロッテンハッツを解散した片寄明人、高桑圭、白根賢一の3人が、新たな音楽的方向性を模索して結成したバンドであり、本デビュー作にはその意欲が明確に表れている。
彼らの音楽の特異性は、60年代ロックやフォーク、AOR、パンクなど多岐にわたるジャンルを自在に横断しながらも、それらを単なる懐古趣味に終わらせず、現代的な感覚で再構築することに成功している点が挙げられる。冒頭のタイトル曲では、鋭く歪んだギターリフと疾走感あふれるリズム隊が絡み合い、ガレージ・パンク的な荒々しさでアルバムの扉を開け、90年代におけるAOR再評価と呼応したかのようなグルーヴ感あふれる「Fool & the Gang」へと続いていく。さらにシールズ&クロフツの名曲「想い出のサマーブリーズ(Summer Breeze)」のカヴァーでの、原曲への敬意を示しつつ巧みなコーラスワークや繊細なギターフレーズによって独自の叙情性を加えている点も聴きどころだ。
文/油納将志

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