2025年3月号|特集 奥田民生 29-30
『29』:Part2|名盤『29』『30』を徹底分析
解説
2025.3.6
文/小川真一

『29』:Part2
「息子(アルバム・ヴァージョン)」
アルバム『29』の先行シングルとなったのが、この「息子」だ。清涼飲料水のCMソングに起用され、オリコン・チャートの第2位を記録した。青春らしさを感じさせてくれる爽やかな映像とともに、この曲がテレビから流れたのを覚えている。「ファーストキス篇」に登場した可愛い少女は、当時14才だった星野真里だ。 『29』に収録されているのは、シングルとは異なったアルバム・ヴァージョンで演奏時間も幾分長い。奥田民生ならではの響きを持ったコード進行が心地よいが、何よりも歌詞が素晴らしい。きれい事を言うわけでもなく、上からの目線で説教するのでもなく、自分が子供だった時のような感覚で息子に話かけている。歌詞カードに記載されている歌詞が終わったあと、アウトロのギターと共にもうワン・フレーズが歌われている。その歌詞の中に“二股”や“小豆相場”が登場してくる。これは前の歌詞の“裏切り”や“ぼろもうけの話”を受け継いたものだが、こんな言語感覚が実に奥田民生らしい。

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