2025年2月号|特集 田島照久 MUSIC ARTWORKS
【Part2】田島照久×須藤晃 ~尾崎豊アートワーク~OZAKI 20プログラム再編集版
対談
2025.2.12
文/ウェブマガジンotonano編集部(再編)

(【Part1】からの続き)
尾崎さんは、本人からこうして下さいとか、注文を言って来ない人でしたよね(須藤)
余計なことを意識してしまうから。アーティストとの関係としては理想的でしたね(田島)
須藤 (中略)でも『十七歳の地図』は案の定あまり売れなかった。で「卒業」の12インチのジャケット。あの時「もうちょっと尾崎の実像を出して行きましょう」って話してたのに、デザインはなんと後ろ向き(笑)。僕はまいったな〜って思いましたね。でも、めちゃくちゃカッコいい。石を持ってる(笑)。OZAKI STONEなんていって成分まで書いてある。その余裕というか、遊び心があって。
田島 「卒業」を聴いた時の衝撃は僕の音楽人生においてもTOP 5に入るくらいの衝撃なんだけど、尾崎くんの周りの状況が徐々に動き出してる中でこの「卒業」は決定的なものになると感じました。だからといってジャケットはストレートにいくかよっていう(笑)。でもこのコンセプトは誤解されるかもしれないよね、学校の窓ガラスを壊しちゃうような人なの? って。そこで、また須藤くんに書いてもらった英詩を使ったり写真をネガにすることで、ギリギリのティーンエイジャーだけに許される美学を表してみたんです。

尾崎豊
12インチ・アナログ・シングル
「卒業」
1985年1月21日発売
須藤 まあ、1st アルバム(の中の「15の夜」)でバイク盗んでますからね(笑)。(中略)「卒業」の原曲はずいぶん前からあってライヴでもやっていたんだけど、「いい曲できたんで聴いて下さい」ってテープ持ってきたのね。でも「卒業」ってシングルにするには長いなって思っていたんだけど、彼がツイてるのは、丁度その頃は12インチ・シングルがブームになっててね。田島さんのあのデザインも12インチシングルの大きさだから映えるわけで。
田島 そうだね、7インチのドーナツ盤じゃインパクトにかけただろうしね。あのデザインにはしてないと思うね。ところで、あれって1位になったの?
須藤 いや、なってないですね。
田島 そうだよね、12インチって値段も高いし。
須藤 でもあの勢いで2nd、3rdアルバムといくわけで、「卒業」の12インチが発売された時にはアルバム『回帰線』のデザインはしてたんだと思うけど「顔出してくれませんか?」って、なんとなく話をしにいったんですよね。そうしたら出てきたのがよじ上ってるみたいな(笑)これはって。「いいでしょ」って田島さんが言ってね。『回帰線』というタイトルは僕が考えたんだけど、ヘンリー・ミラーの『北回帰線』をちょうど読んでいた時でいいタイトルだなって思っていたので。英語のタイトルがへんな卒業の熱帯区みたいな僕の造語になっていて。
田島 でもブレてないんですよね。2枚目で尾崎豊というのアーティストが何者かというのがビジュアルとしても少しずつ明かされ始める。
須藤 この頃はツアーっぽい活動も始まっていましたが、撮影をしていても何か変化はありましたか?
上記対談は、2012年に開催された尾崎豊特別展<OZAKI 20>公式プログラム(写真)内に掲載された「TERUHISA TAJIMA vs AKIRA SUDOH INSIDE TALK SESSION」を一部抜粋・再編集した内容です。約3万字におよぶノーカット版「TERUHISA TAJIMA vs AKIRA SUDOH INSIDE TALK SESSION」を含む『OZAKI 20』公式プログラム(通常版)はOZAKI 20オフィシャルグッズストアでお求めいただけます。
https://www.official-store.jp/ozaki/products/detail.php?product_id=14

須藤晃 (すどうあきら)
●音楽プロデューサー・作家。1952年8月6日、富山県生まれ。’77年、東京大学英米文学科卒業後、株式会社CBS・ソニー(現ソニー・ミュージックレーベルズ)入社。’96年より株式会社カリントファクトリー主宰。尾崎豊、村下孝蔵、玉置浩二、浜田省吾、杉真理、橘いずみ、石崎ひゅーいらを担当し、シンガーソングライターのパートナーとして数々の名曲・名アルバムを発表。言葉(歌詞)にこだわったプロデュース・スタイルでメッセージ性の高い作品を生み出し続けている。
www.karinto.co.jp

田島照久 (たじまてるひさ)
アート・ディレクター、グラフィック・デザイナー、写真家 、THESEDAYS 主宰。 1949年福岡県生まれ、多摩美術大学グラフィック・デザイン科卒業。 CBS・ソニー(現ソニー・ミュージックレーベルズ)デザイン室の勤務を経て渡米、’80年よりフリーランスとなり、‘92年に現在のデザインプロダクション "THESEDAYS" を設立。 浜田省吾、尾崎豊をはじめとする多くのミュージシャンの撮影とパッケージ・カヴァーのアート・ディレクターを務める。 仕事はエディトリアル、ポスター、広告、カレンダー、写真集、小説やコミックの装丁などグラフィック全般に及ぶ。
http://www.thesedays.co.jp/artworks-0214/index.html
●日本を代表するアート・ディレクター田島照久、究極の作品集が2/26発売!!
『田島照久 MUSIC ARTWORKS』
2025年2月26日発売
SRCL-13143〜13144/¥13,500(税込)
豪華三方背ボックス仕様/完全生産限定盤
http://www.thesedays.co.jp/artworks-0214/index.html
[ボックス収録内容]
★ART BOOK(作品集)
オールカラー/200ページ/A4横長変型サイズ(200×210)
田島照久が手がけてきたLP、CD、DVD、Blu-rayパッケージ・デザイン、ポスター、広告、グッズ、シミュレーション、各種別バージョンなど貴重なデザイン作品の記録集。厳選240作品以上収録! 作品別の制作ノート付き
★CD(紙ジャケット仕様)
収録曲 *田島照久が選曲したコンピレーション
01. 青空のゆくえ / 浜田省吾
02. Key Station / 杉 真理
03. 瞳・元気 / 永井真理子
04. 笑顔を探して / 辛島美登里
05. 心の友 / 五輪真弓
06. 日付変更線 / 南 佳孝 duet with 大貫妙子
07. 素直になりたい / ハイ・ファイ・セット
08. BRIDGE~あの橋をわたるとき~ / HOUND DOG
09. 僕が僕であるために / 尾崎 豊
10. HARMONY MAKER(A Song of Shogo Hamada) / 田島照久 featuring 澤口のり子
★BOOKLET
2C/28P/歌詞/全曲解説/田島照久による全曲選曲コメント付
『田島照久 MUSIC ARTWORKS』を軸にキャリア53年(ソロ活動45年)を田島照久本人が総括する約1万字の最新ロング・インタビューもお楽しみください!
★POSTCARD
表紙とは別バージョンのアート・カード同梱
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伊藤銀次のネット・ラジオ『POP FILERETURNS』
第463回(前編)/第464回(後編) 田島照久を迎えて
https://otonanoweb.jp/s/magazine/diary/detail/10477
●2月15日(土)22:00~OA
テレビ東京系『新美の巨人たち』
<デザイナー田島照久/尾崎豊「十七歳の地図」レコードジャケット>
Art Traveler:辛島美登里/ナレーター:磯村勇斗
https://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/
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