連載|伊波真人のシティポップ短歌

今月のお題「細野晴臣 / はらいそ」

2025.1.15

今月のお題

細野晴臣 / はらいそ1978年


はっぴいえんどから初のソロ・アルバム『HOSONO HOUSE』(’73年)を経て、ワールドミュージック色が濃厚になっていったが、『トロピカル・ダンディー』(’75年)、『泰安洋行』(’76年)に続き、いわゆる「トロピカル三部作」のラストを飾るのが本作である。ハワイ、ニューオーリンズ、沖縄と広範囲に渡って国籍とジャンルを横断するような内容に仕上がっており、イエロー・マジック・バンド名義ということもあってこの後すぐに結成されるイエロー・マジック・オーケストラ(YMO)への序章ともいえる。鈴木茂、高橋幸宏、佐藤博、坂本龍一などがクレジットされており、大貫妙子やかまやつひろしもコーラスで参加している。

島国にいるのになぜか僕たちは 南の島を夢見てしまう島国にいるのになぜか僕たちは 南の島を夢見てしまう



伊波真人(いなみ・まさと)

歌人。1984年、群馬県高崎市生まれ。早稲田大学在学中に短歌の創作をはじめる。2013年、「冬の星図」により角川短歌賞受賞。雑誌、新聞を中心に短歌、エッセイ、コラムなどを寄稿。ポップスの作詞家としても活動中。ラジオ、トークイベントへの出演なども行う。音楽への親しみが深く、特にシティポップ、AORの愛好家として知られる。著書に、歌集『ナイトフライト』などがある。