連載|伊波真人のシティポップ短歌

今月のお題「鈴木雅之 / Radio Days」

2024.12.16

今月のお題

鈴木雅之 / Radio Days1988年


シャネルズ~ラッツ&スターのリード・ヴォーカリストとして活躍した鈴木雅之は、1986年に大沢誉志幸プロデュースのシングル「ガラス越しに消えた夏」とアルバム『mother of pearl』でソロ・デビューを果たし、成功を収める。その2年後に発表したセカンド・アルバムが本作である。松尾清憲や佐藤博など数人の作家による書下ろし曲を集めているが、特筆すべきは山下達郎が関わった楽曲群だ。ブルージーでソウルフルな「Guilty」、クールにグルーヴする「Misty Mauve」、ドゥーワップ・スタイルの「おやすみロージー(Angel Babyへのオマージュ)」の3曲は、シティポップの観点でも高く評価したいナンバーだ。

君といた日々を恋いつつ飲み干した サイドカーという名のカクテルを君といた日々を恋いつつ飲み干した サイドカーという名のカクテルを



伊波真人(いなみ・まさと)

歌人。1984年、群馬県高崎市生まれ。早稲田大学在学中に短歌の創作をはじめる。2013年、「冬の星図」により角川短歌賞受賞。雑誌、新聞を中心に短歌、エッセイ、コラムなどを寄稿。ポップスの作詞家としても活動中。ラジオ、トークイベントへの出演なども行う。音楽への親しみが深く、特にシティポップ、AORの愛好家として知られる。著書に、歌集『ナイトフライト』などがある。