2024年11月号|特集 吾妻光良&ザ・スウィンギン・バッパーズ

⑭Always Merry A Pretty Woman|バッパーズ十八番名曲図鑑|バッパーズ十八番名曲図鑑

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レビュー

2024.11.21



「Always Merry A Pretty Woman」ロード・ビギナー

収録アルバム
『Calypso』Lord Invader[Track6=Lord Beginner]

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吾妻光良がこんな面白い音楽=カリプソに興味を持たないわけがない



 カリプソと聞いて、どんなイメージがわくだろうか? ハリー・ベラフォンテとか浜村美智子が「デーオ、イデデ・イデデ」と叫んでいるシーンを想像するのは、それなりに齢をとっている人だと思う。カリブ海のトリニダード・トバゴで生まれたこの音楽は、ともかく陽気でダンサブル。聞いているだけでワクワクしてくる。

 もともとは言葉が通じない同士のコミュニケーションにも使われたというが、それが転じてヒップホップのMCバトルのように、互いに相手をディスりあったりもする。また社会風刺や時事ネタを取り入れるのも得意。ライ・クーダーがカヴァーしたことで有名な「トリニダードのF.D.R.」は、フランクリン・ルーズベルトがトリニダード・トバゴに来訪した時のことを歌った曲。歌っていたのはアッチラ・ザ・フン(フン族のアッティラ)で、他にも、ロアリング・ライオン(吠えるライオン)、ロード・インヴェーダー(インヴェーダー卿)とか、おかしな名前の歌手が多い。

文/小川真一