連載|伊波真人のシティポップ短歌

今月のお題「五十嵐浩晃 / 愛は風まかせ/NORTHERN SCENE」

2024.11.15

今月のお題

五十嵐浩晃 / 愛は風まかせ - NORTHERN SCENE1980年


1980年に「ペガサスの朝」が大ヒットしたことでも知られる、北海道出身のシンガー・ソングライターによるファースト・アルバム。CBS・ソニーのオーディションで合格したことがきっかけでデビューした。本作では鈴木茂が全編のアレンジを手掛け、今剛、林立夫、マイク・ダン、斉藤ノブ、ペッカー、ラジなど錚々たるミュージシャンが参加しており、鳴り物入りのデビューだったことがよくわかる。タイトなビートに乗せたグルーヴィーな「今日かぎり」を筆頭に、ウェストコースト・ロック風の「夢泥棒」、ボサノヴァを取り入れた「愛は風まかせ」など、ほのかに薫るフォーキーなテイストが魅力的なアルバムだ。

駆け引きがだんだん上手くなってゆく デジャヴのように恋を重ねて駆け引きがだんだん上手くなってゆく デジャヴのように恋を重ねて



伊波真人(いなみ・まさと)

歌人。1984年、群馬県高崎市生まれ。早稲田大学在学中に短歌の創作をはじめる。2013年、「冬の星図」により角川短歌賞受賞。雑誌、新聞を中心に短歌、エッセイ、コラムなどを寄稿。ポップスの作詞家としても活動中。ラジオ、トークイベントへの出演なども行う。音楽への親しみが深く、特にシティポップ、AORの愛好家として知られる。著書に、歌集『ナイトフライト』などがある。