2024年11月号|特集 吾妻光良&ザ・スウィンギン・バッパーズ
①You Need Connection(コネが無きゃ)|バッパーズ十八番名曲図鑑
レビュー
2024.11.1
「You Need Connection(コネが無きゃ)」バブス・ゴンザレス 収録アルバム
『Weird Lullaby』Babes Gonzales
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この声、一度聞いたら忘れられない、二度聞いたら病みつき!!
ジャイヴ/ジャンプ系のシンガーは癖が強いミュージシャンが多いが、このバブス・ゴンザレスは声。一度聞いたら忘れられない、二度聞いたら病みつきになる、あの特徴的な声だ。その表現の塊のような声を活かして、スキャットを歌いまくる。このスキャットという唱法は、歌詞のかわりに意味のない言葉で即興的に歌うものだが、管楽器などのアドリブ・ソロに対抗するために考え出されたとも言われている。
やたらに歌うだけでは勿論だめで、ジャズのメソッドにそっていなければいけないし、瞬時にアドリブ・フレーズを繰り出さなければならない。その意味において、バブス・ゴンザレスは真のビバップ・シンガーだと言っていいだろう。ソニー・ロリンズ、ジョニー・グリフィン、ベニー・グリーンといった連中とも堂々と渡り合っている。
1956年録音の「You Need Connections」は、ジミー・スミスのオルガン・トリオとの共演盤。クールなハモンド・オルガンのイントロで始まるが、次第に熱を帯びていきバブス・ゴンザレスの本領が発揮される。この詩の朗読のような語りのような歌い方がバブスの流儀。ポエット・アヴェック・ジャズともジャズ・ポエットとも呼ばれるが、これはバブス・ゴンザレスが考案したもの。吾妻光良&The Swinging Boppersはこの曲に日本語の歌詞を乗せ「コネが無きゃ」のタイトルで録音している。
文/小川真一
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②Que Pasa Chica(おいこらお嬢ちゃん)|バッパーズ十八番名曲図鑑
レビュー
2024.11.5