2024年10月号|特集 和ジャズ

⑲笠井紀美子『トーキョー・スペシャル』|渡辺康蔵(ジャズメガネ)が選ぶ「和ジャズ」名盤22

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レビュー

2024.10.28

文/渡辺康蔵(ジャズメガネ)


笠井紀美子
『トーキョー・スペシャル』

1977年7月、8月録音(CBS/Sony)


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1. バイブレイション
2. やりかけの人生
3. 夏の初めのイメージ
4. ベリー・スペシャル・モーメント
5. 人はそれぞれ
6. TOKYO SPECIAL
7. 木もれ陽
8. テイク・ミー
9. 待ってて


ジャズ界としても日本のミュージック・シーンに一石を投じた日本語によるアルバム

 日本人のジャズ・ヴォーカルというのは、英語がネイティブな国ではない理由もあり、ちょっと日陰者のイメージがあった。豊かなジャズ感覚を持った先駆者、マーサ三宅や後藤芳子などはインストのジャズメンと渡り合って活躍していたが、女性ヴォーカルが発展したのは、笠井紀美子の功績が大きい。



●渡辺康蔵 (わたなべ・こうぞう)
ジャズ・プロデューサー、ミュージシャン、作家。早稲田大学モダンジャズ研究会、日本コロムビアを経て、ソニーミュージックで日野皓正、ケイコ・リー等のプロデューサーとして活動。’22年よりフリーランス。山本剛トリオや山下久美子をプロデュース。また、吾妻光良&ザ・スウィンギン・バッパーズのサックスを結成当初より担当。著書にミステリー短編集『ジャズ・エチカ〜ジャズメガネの事件簿』(彩流社)がある。

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