2024年10月号|特集 和ジャズ

⑮中本マリ/鈴木勲・渡辺香津美『マリ・ナカモトIII』|渡辺康蔵(ジャズメガネ)が選ぶ「和ジャズ」名盤22

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レビュー

2024.10.22

文/渡辺康蔵(ジャズメガネ)


中本マリ/鈴木勲・渡辺香津美
『マリ・ナカモトIII』

1975年11月25日、26日録音(TBM-56)


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1. ジョージア・オン・マイ・マインド
2. ホワット・ア・ディファレンス・ア・デイ・メイド
3. ユー・ケイム・ア・ロング・ウェイ・フロム・セントルイス
4. 瞳は君故に
5. ひまわり
6. ホワット・アー・ユー・ドゥーイング・ザ・レスト・オブ・ユア・ライフ?
7. ジャスト・フレンズ
8. ディドント・ウィ
9. ア・ナイチンゲール・サング・イン・バークリィ・スクェア


中本マリの声、鈴木勲のベース、渡辺香津美のギターがそこにいるかのようなヴォーカル・アルバム

 個人的には中本マリのレコードを聴いたのは随分後だ。歌姫たちは各レコード会社の力の入れ方も強く、なんと言ってもCBS・ソニーの笠井紀美子のプッシュ度は本気で、こちらも乗せられてしまっていた。もちろん、楽器を演奏する者にとっては日本人のヴォーカル・アルバムはあまりプライオリティも高くなかったのが実際のところだろう。



●渡辺康蔵 (わたなべ・こうぞう)
ジャズ・プロデューサー、ミュージシャン、作家。早稲田大学モダンジャズ研究会、日本コロムビアを経て、ソニーミュージックで日野皓正、ケイコ・リー等のプロデューサーとして活動。’22年よりフリーランス。山本剛トリオや山下久美子をプロデュース。また、吾妻光良&ザ・スウィンギン・バッパーズのサックスを結成当初より担当。著書にミステリー短編集『ジャズ・エチカ〜ジャズメガネの事件簿』(彩流社)がある。

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