2024年10月号|特集 和ジャズ
⑬鈴木勲カルテット+2『オランウータン』|渡辺康蔵(ジャズメガネ)が選ぶ「和ジャズ」名盤22
レビュー
2024.10.18
文/渡辺康蔵(ジャズメガネ)
鈴木勲カルテット+2
『オランウータン』
1975年4月4日録音(TBM-44)
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1. ブルー・ロード
2. ホエア・アー・ユー・ゴーイング?
3. マイ・ワン・アンド・オンリー・ラヴ
4. オランウータン
グルーヴする重厚なベース、フロント楽器として躍動するチェロに加えて、エレピも披露した人気盤
このレビューで鈴木勲を取り上げるのは二回目。それほど、TBMには鈴木の吹き込みが多く、人気があったということだ。グルーヴする重厚なベース、フロント楽器として躍動するチェロ。本作では、それに加えてグルーヴィーなエレピも披露している。今月、ソニーミュージックより再発もされるという人気盤。アナログとSACDの音質はどちらも素晴らしい。バス・クラリネットやベースの低音を初め、各楽器の主張はより鮮明だし、特に鈴木のエレピは本物のピアニストよりソウルを感じさせる深みが強調されている。多分、タッチの強さがより強調されているのだろう。
●渡辺康蔵 (わたなべ・こうぞう)
ジャズ・プロデューサー、ミュージシャン、作家。早稲田大学モダンジャズ研究会、日本コロムビアを経て、ソニーミュージックで日野皓正、ケイコ・リー等のプロデューサーとして活動。’22年よりフリーランス。山本剛トリオや山下久美子をプロデュース。また、吾妻光良&ザ・スウィンギン・バッパーズのサックスを結成当初より担当。著書にミステリー短編集『ジャズ・エチカ〜ジャズメガネの事件簿』(彩流社)がある。
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