2024年9月号|特集 90年代シティポップ

⑧奥居香『Renaissance』|90年代シティポップ名盤ガイド

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レビュー

2024.9.11


奥居香
『Renaissance』

1994年11月21日発売

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1.Mercy
2.VANISHING
3.帰り道
4.スリル・イズ・ゴーン
5.あなたがそばにいる理由
6.奇跡の時
7.天使とピストル
8.曇りのち雨
9.ある朝魔女になってたら
10.恋は素晴らしい
11.水の鏡



バンドと差別化をはかる奥居流のウェルメイドなポップス万華鏡


 プリンセスプリンセスの奥居香がバンド在籍中にリリースした最初のソロアルバム。バンドとの差別化を意図してなのか、ポップスに振り切ったサウンドとなっている。奥居流のウェルメイドなポップス万華鏡といった趣の内容だ。笹路正徳が編曲で辣腕を振るっている。作曲はすべて奥居のペンによるもの。作詞は奥居以外には西脇唯、森雪之丞、小西康陽、中山加奈子が参加している。

 ミュージカル調の豪華なオーケストラをバックに奥居が朗々と歌う「Mercy」は、アルバムの幕開けとしてインパクトが強い。


 「帰り道」はフリューゲルホルンの響きとバイヨンのリズムがバート・バカラックを連想させる。ロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズやフィフス・ディメンションといったソフトロックを意識したアレンジ。

文/鳥居真道