2024年8月号|特集 アルファの夏!

【Part2】MUROが選ぶDJ目線で再評価したいアルファの名曲

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インタビュー

2024.8.21

インタビュー・文/柴崎祐二 写真/山本マオ


【Part1】からの続き)

レアグルーヴ的な感覚で掘っていた人とはちょっと違う視点から人気を集めている


── アルファといえば、歌もののポップス系に限らず、フュージョン系のカタログも充実しています。

MURO そう。中には和楽器とか日本の伝統音楽の要素を取り入れたレコードもあるじゃないですか。ああいうものには相当刺激を受けましたね。

── 例えば、横倉裕さんの『ラヴ・ライト』(’78年)とかですかね?

MURO まさに。これは当時アメリカ盤もリリースされていて、僕は先にそっちを買っていたんですけど、ある時に神戸のレコード屋でアルファのオリジナル日本盤を手に入れることができて。ジャケットも全然違いますし、帯やライナーノーツを見て感動した覚えがあります。



横倉裕
『ラヴ・ライト』

1978年発売


── このアルバムは、グルーヴやメロウネスの素晴らしさもさることながら、尺八とか琴、三味線とか、和楽器の取り入れ方がすごく巧みですよね。

MURO おっしゃるとおりですね。いまもサンプリングしてビートを作り続けているので、どうしてもそういう特徴的な音が効果的に使われている部分に反応しちゃいますね。こういうレコードこそ今の海外のプロデューサーにアピールして、向こうのリスナーたちにも広く響いてくれたら面白いだろうなと思っているんです。

── 近い視点でいうと、喜多嶋修さんの『素浪人 MASTERLESS SAMURAI』(’80年)もすごいアルバムですよね。尺八だったり、全編に和要素が織り込まれているんだけど、同時にフュージョン的な先練味もあって。

MURO いや〜、最高ですね。こういうレコードがあったっていうことを是非知ってもらいたいですね。ジャケットのイラストも漫画調だし、メインストリームのフュージョンのファンからは敬遠されてしまうかもしれませんが、内容はもちろんアニメのサントラみたいな特徴的なヴィジュアルも、今なら海外のファンに強くアピールするような気がします。




MURO (ムロ)

日本が世界に誇るKing Of Diggin'ことMURO。「世界一のDigger」としてプロデュース/DJでの活動の幅をアンダーグラウンドからメジャーまで、そしてワールドワイドに広げていく。現在もレーベルオフィシャル
MIXを数多くリリースし、国内外において絶大な支持を得ている。
DJ NORIとの7インチオンリーでのDJユニット“CAPTAIN VINYL”含めて、多岐に渡るフィールドで最もその動向が注目されているアーティストである。

毎週水曜日21:00~ TOKYO FM MURO presents「KING OF DIGGIN'」の中で、毎週新たなMIXを披露している。
番組HP https://www.tfm.co.jp/kod/

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